第3回:リーダーの役割とは

2025年7月6日に行われた第2回スタディーサークル日本版ガイドライン作成ミーティングでは、スタディサークルを日本で広げるために欠かせない「他の集まりとの違い」や「リーダーの役割」について、実際の経験や思考を交えての対話となりました。

今回は、その内容を整理し、スタディーサークルに関心を寄せる皆さんに向けてお届けします。

スタディサークルと他の集まりの決定的な違い

今回の対話でまず話題になったのが、「スタディーサークルと他の学びの場の違いは何か」という問いでした。

消費的参加と主体的参加
メンバーからは、一般的な講座と比較する声がありました。多くの勉強会や講座では、誰かが用意した内容を参加者が受け取る形になりやすく、それは「消費的な参加」になりがちだという指摘です。

「一般的な講座って、準備してくれた人がいて、その人のルールに従って参加する感覚がある。もちろん良い場も多いけれど、どこか“参加させてもらっている”という消費者的立場になる」

一方スタディーサークルでは、主催者や講師が全てを決めるのではなく、参加者自身がテーマを選び、進め方を考え、ルールさえも自分たちで決めることができるという点が大きな違いです。

自治的学びの場
「スタディーサークルには主催者がいない」と表現するメンバーもいました。実際には進行役となるリーダーはいますが、その役割は決して「指導者」ではなく、場の運営を支えるファシリテーターです。方向性を決めるのはあくまでメンバー全員。つまり、自治的に学びを創っていく場であることが特徴です。

スタディーサークルのリーダーとは – 教える人ではなく支える人

今回最も議論が深まったテーマが「リーダーの役割」でした。

誰でもできる役割?
メンバーからは、「スタディーサークルのリーダーは誰でもできる役割だと思う。ただ、率先して何かを決める人というより、進行をサポートする人。」という声がありました。

スウェーデンのリーダー研修の必要性
スウェーデンでもスタディーサークルリーダー研修は重要視されており、特に様々な価値観や意見が出る場面では、リーダーが話題を整理したり、ネガティブな方向に傾かないよう促す役割が求められます。

「いろんな意見が出る中で、ネガティブな発言をただ受け流すのではなく、どう話し合いに変えていくか。こうしたファシリテーション力が必要になる。」

最低限のルールを伝え続ける人
また、誰もが自由に発言できるからこそ、最低限のルールや場の目的を伝え続ける存在が必要だという意見も出ました。「リーダーは最低限のルールを伝え続ける人かな。なあなあになると学びの場として機能しない。」

日本で「リーダー」という言葉が持つイメージ
議論では、「リーダー」という言葉の持つ日本的イメージについても課題が挙がりました。

リーダー=責任者という誤解
日本では、リーダーと聞くと指導者や責任者をイメージしがちで、メンバーからも「“私リーダーです”と言った瞬間に、全部その人が決める前提になりがち。」という懸念がありました。これでは、スタディサークルの「対等性」が崩れてしまいます。

スタディーサークルリーダーに求められること

今回の対話から浮かび上がったリーダー像をまとめると、以下のようになります。

場を整える人
進行、時間管理、テーマ提示などを通じて、対話が円滑に進むよう場を整える。

安心安全を守る人
誰もが意見を言える空気を作り続ける。

問いを立てる人
答えを与えるのではなく、問いを投げかけ、考えを深める。

まとめない人
結論を急ぐのではなく、対話を広げ、深めることを大切にする。

責任を独占しない人
役割を分散し、メンバー全員が主体的に場を創るよう促す。

他の集まりとの違いをどう伝えるか

今回改めて課題になったのが、スタディーサークルと他の集まりの違いをどう伝えるかという点です。

他の集まりとの違い
他の対話型の集まりでは、発言しなくても場が成立する場面があります。一方スタディーサークルは、全員の参加と責任で成り立つグループワーク型であり、「ただ参加する場」ではなく「共に場を創る場」であるという違いがあります。

継続性と余韻
また、スタディーサークルは単発で終わることなく、前回の学びが次につながり、余韻を持ち続ける点も特徴です。「講座はその場で完結するけれど、スタディーサークルは次回まで余韻を引きずり、学びが繋がっていく。」

日本で広げるために – 言語化と練習

最後に、日本でスタディーサークルを根付かせるために出た意見をまとめます。

言語化の必要性
他の集まりとの違いを的確に言語化しないと伝わらない。

リーダーの練習機会
誰でもリーダーを経験できるようにすることで、役割が固定化せず、全員参加型の場が育つ。

リーダー研修の検討
ファシリテーションや問いの立て方など、スタディーサークルらしいリーダーシップを学ぶ機会を作る。

おわりに

今回のミーティングでは、スタディーサークルの本質に迫るような対話が交わされました。スタディサークルとは、誰かに教わる場ではなく、共に学び合う場。そして、リーダーとは指導者ではなく、場を支える人。

この理念をどう伝え、どう実践に落とし込むか。今後のガイドライン作成でも、この問いを大切に深めていきたいと思います。

*こちらの記事は、Noteでも掲載しています。https://note.com/studycircles/n/n0163859aa8f5

Study Circles Japan
NPO法人スノック