2025年8月2日に開催された「第3回スタディーサークル日本版ガイドライン作成ミーティング」では、グループ運営における「成長のフェーズ」や「目的の共有」について、参加者の実体験をもとに対話をしました。今回はその内容を整理し、スタディーサークルに関心を寄せる皆さんに向けてご紹介します。
グループには「成長のフェーズ」がある
「グループには段階的な成長過程がある」という考え方をご存知でしょうか?スタディーサークルのような学びの場は、ただ人が集まれば成立するものではありません。時間とともに変化しながら、段階を経て成熟していきます。
最初のフェーズでは、参加者は「仲間になりたい」「役に立ちたい」と前向きな気持ちで参加し、運営も理想的で民主的な方向を目指します。次に訪れるのが「模索と混乱のフェーズ」。それぞれが自分の立ち位置や役割を探り始め、「自分はこのグループで何を得たいのか」と自問する時期です。この段階では、価値観の違いや意見の衝突が生じやすく、グループの持続性が試されます。
しかし、こうした「混乱期(ストーミング期)」を乗り越えられれば、やがてグループは真の意味での協働状態に達します。信頼関係が育まれ、役割分担も自然に調整される「統合期」へと進むのです。
混乱は成長のサイン
対立や違和感が生じると不安になるかもしれませんが、それはグループが前に進むための通過点です。今回のミーティングで「混乱は避けるべきものではなく、むしろ必要なプロセスである」との認識が共有されました。ある参加者は「許された環境でオープンにもめることが大切」と表現しました。衝突を通じて、自分たちが本当に目指している「目的」や「価値観」が浮かび上がります。それが、次のステップへとつながるのです。
「目的の共有」が無駄を見直す鍵になる
印象的だったのは、「目的の共有」は単に方向性を揃えるだけでなく、「今の活動を見直すきっかけ」になるという視点でした。目的が明確になれば、「このアクションは本当に必要か?」「本来の目的に合致しているか?」という問いが自然に生まれます。すると、続けることが前提になっていた不要な作業を見直し、より本質的な活動に切り替えることができます。
これは日本の多くの職場にも通じる問題です。前任者から引き継がれた業務が目的を見失ったまま続けられ、業務はどんどん肥大化。意思決定には時間がかかり、調整業務が他の仕事を圧迫し、人間関係にゆとりがなくなる——こうした悪循環が生まれています。本来、目的の共有にかける時間が最も重要であるはずなのに、そこに時間が割けないことで、本末転倒な状況になってしまっているのです。
スタディーサークルは、誰かに強制されて学ぶ場ではありません。参加者自身が目的・内容・方法を話し合いながら進める「民主主義の実験場」ともいえる学びの場です。このグループワークの実践は、職場や社会の在り方に新しい視点をもたらす可能性を秘めています。
スタディーサークルは「変化を楽しむ学びの場」
スタディーサークルが目指すのは、知識の一方通行ではなく、参加者同士が対話を通じて学び合い、成長していく場です。「目的を共有すること」、「意見の対立を超えて、どこまで話し込めるか、どうやって中間地点を一緒に見つけるか」はスタディーサークルの中で必要とされる重要な考え方です。
異なる価値観を持つ他者が集まり、「我々の目的とは何か?」「妥協点はどこにあるのか?」を模索することは、民主主義的な社会を運営するための礎になると考えます。
こうした価値観を大切にしながら、私たちはこれからも、スタディーサークルという文化を日本に広げていきたいと考えています。
*こちらの記事は、Noteでも掲載しています。https://note.com/studycircles/n/nd98c6da8c44c
Study Circles Japan
NPO法人スノック
2025-08-11
Last Updated: 2025-10-07 by Study Circles Japan
第4回:目的を共有するということ
2025年8月2日に開催された「第3回スタディーサークル日本版ガイドライン作成ミーティング」では、グループ運営における「成長のフェーズ」や「目的の共有」について、参加者の実体験をもとに対話をしました。今回はその内容を整理し、スタディーサークルに関心を寄せる皆さんに向けてご紹介します。
グループには「成長のフェーズ」がある
「グループには段階的な成長過程がある」という考え方をご存知でしょうか?スタディーサークルのような学びの場は、ただ人が集まれば成立するものではありません。時間とともに変化しながら、段階を経て成熟していきます。
最初のフェーズでは、参加者は「仲間になりたい」「役に立ちたい」と前向きな気持ちで参加し、運営も理想的で民主的な方向を目指します。次に訪れるのが「模索と混乱のフェーズ」。それぞれが自分の立ち位置や役割を探り始め、「自分はこのグループで何を得たいのか」と自問する時期です。この段階では、価値観の違いや意見の衝突が生じやすく、グループの持続性が試されます。
しかし、こうした「混乱期(ストーミング期)」を乗り越えられれば、やがてグループは真の意味での協働状態に達します。信頼関係が育まれ、役割分担も自然に調整される「統合期」へと進むのです。
混乱は成長のサイン
対立や違和感が生じると不安になるかもしれませんが、それはグループが前に進むための通過点です。今回のミーティングで「混乱は避けるべきものではなく、むしろ必要なプロセスである」との認識が共有されました。ある参加者は「許された環境でオープンにもめることが大切」と表現しました。衝突を通じて、自分たちが本当に目指している「目的」や「価値観」が浮かび上がります。それが、次のステップへとつながるのです。
「目的の共有」が無駄を見直す鍵になる
印象的だったのは、「目的の共有」は単に方向性を揃えるだけでなく、「今の活動を見直すきっかけ」になるという視点でした。目的が明確になれば、「このアクションは本当に必要か?」「本来の目的に合致しているか?」という問いが自然に生まれます。すると、続けることが前提になっていた不要な作業を見直し、より本質的な活動に切り替えることができます。
これは日本の多くの職場にも通じる問題です。前任者から引き継がれた業務が目的を見失ったまま続けられ、業務はどんどん肥大化。意思決定には時間がかかり、調整業務が他の仕事を圧迫し、人間関係にゆとりがなくなる——こうした悪循環が生まれています。本来、目的の共有にかける時間が最も重要であるはずなのに、そこに時間が割けないことで、本末転倒な状況になってしまっているのです。
スタディーサークルは、誰かに強制されて学ぶ場ではありません。参加者自身が目的・内容・方法を話し合いながら進める「民主主義の実験場」ともいえる学びの場です。このグループワークの実践は、職場や社会の在り方に新しい視点をもたらす可能性を秘めています。
スタディーサークルは「変化を楽しむ学びの場」
スタディーサークルが目指すのは、知識の一方通行ではなく、参加者同士が対話を通じて学び合い、成長していく場です。「目的を共有すること」、「意見の対立を超えて、どこまで話し込めるか、どうやって中間地点を一緒に見つけるか」はスタディーサークルの中で必要とされる重要な考え方です。
異なる価値観を持つ他者が集まり、「我々の目的とは何か?」「妥協点はどこにあるのか?」を模索することは、民主主義的な社会を運営するための礎になると考えます。
こうした価値観を大切にしながら、私たちはこれからも、スタディーサークルという文化を日本に広げていきたいと考えています。
*こちらの記事は、Noteでも掲載しています。https://note.com/studycircles/n/nd98c6da8c44c
Study Circles Japan
NPO法人スノック
2025-08-11
Category: つぶやきの部屋
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