第1回:なぜスタディーサークルなのか

スウェーデンでは100年以上もの歴史を持つスタディーサークルですが、勉強すればするほど、運営すればするほど、その根底にあるものはなかなか深いなぁと感じています。深いし、社会のニーズに合わせて変化してきた部分があるしで、説明を求められた時に言語化が難しい

社会運動との深いつながりがあるため、スタディーサークルはただの「学びのコミュニティー」というわけではなく、民主主義の促進、実践、体験の場であり、国から決められた学びではない、自主的な学びを大切にしています。対等な関係性での学びの促進と、それによって民主主義をベースとしたより良い社会の構築を目指している、いわば社会運動の引き金なのだという印象です。

私もスウェーデンでスタディーサークル・リーダーとしてお仕事をしていたにもかかわらず、スタディーサークルの基盤となっている概念「Folkbildning(民衆学習)」を「こうだろう。」という感じで感覚的に理解し、深い部分まで理解できずににその任務を全うしていました。運営団体であるStudieförbund(学習協会)も助成金で運営しているため資金不足なのか、Folkbildningについてしっかりと学ぶ機会を得られぬまま、スタディーサークルやフォルクホーグスコーラ(民衆学校)に携わっているコースリーダー達が多いんですね。そしてやっぱりもう少しFolkbildningについて理解したいという人たちが集まり、働きながら大学でオンラインの講義を受けたりします(私もその一人)。それぐらい、理解するにはアカデミックな学習が必要となってきます。深いですよね。

ただ、そのような曖昧な中でFolkbildningに携わっている人たちでも、やはり「アツい」人たちが多いということが特徴として挙げられるように思います。私にとってスウェーデンは、市民社会のイメージが強く、「一人一人が社会を創り上げるんだ!」という強い意識を感じる国の一つであり、そのような意識を社会に浸透させるプロセスに貢献したのが、まさしくFolkbildningという考え方、つまりスタディーサークルなのだと思います。

スタディーサークルは、Folkbildningの理想郷のような感じですね。みんなのためにあり、みんなが作る学びの場。そしてそのみんなが「社会」を意識して学びを作り上げていけば、それがみんなにとってより良い社会を創ることにつながっていく。そのようなことの実現を目指した、ユートピア的な存在なのかなぁと、これまでの経験を通して集めた知識を総動員して自分なりに理解・整理をしております。そんな「アツい」アクティビスト(活動家)の集まり、それがFolkbildningに関わる人たちなのかもしれないです。

Mika Tominaga
Study Circles Japan